Workflow

andu amet

http://www.anduamet.com/

andu amet(アンドゥアメット)は、最高級のエチオピアシープスキンを贅沢に使用した、エチオピア現地職人たちのハンドメイドによる次世代のラグジュアリーブランドです。andu ametとコパイロツトとの出会いは、ブランド立ち上げの10年前まで遡ります。コパイロツトの関連プロジェクトのNPO法人cut-jpが運営するメディア「ソシオデザインノート」で代表・チーフデザイナーの鮫島さんを取材したことをきっかけに、鮫島さんの考え方や価値観、そしてandu ametの社会的意義に共感し、その後はブランディングのサポートを続けてきました。

Credit

Executive Producer:鮫島弘子(andu amet) / Producer, Account Manager:船橋友久(コパイロツト)/ Project Manager:石井友梨(コパイロツト)/ Planning, Art Direction, Design:野田一輝( UNIEL ltd.(ユニエル))/ Illust:小峯正嗣(UNIEL ltd.(ユニエル))/ Front End:後藤寛一(UNIEL ltd.(ユニエル))/ Back End:Hyrax / Motion:後藤寛一, 野田一輝(UNIEL ltd.(ユニエル))/ Photographer:大野隼男 / Stylist:長尾淳史 / Make-up:伴文博 / Hair:佐藤英治 / Promotion Video:近藤祐希(WORLD FESTIVAL Inc.

Background

andu ametは、エシカルブランドとして大きな注目を集め、代表の鮫島さんが日経WOMAN ウーマン・オブ・ザ・イヤーや、APEC若手女性イノベーター賞を始めとした数々の賞を受賞したことでも注目を集めてきました。

そして2015年、日系企業としては3社目となる現地法人をエチオピアに設立。いよいよ生産体制も整い品質もより高いレベルへと向上していく中で、もともとブランドが志向していた、優れたデザインと高い品質を兼ね備えた、ラグジュアリーブランドとしての一面を訴求するフェーズにさしかかっていました。そのスターティング・ポイントとしてWebサイトリニューアルをしたいという相談をいただいたことから、今回のプロジェクトが始まりました。

Planning

ユニエルの代表でアートディレクターの野田さんは、それまでのandu ametのブランド資産やイメージをベースに、どのようにリブランディングすべきかを考え、まず「ブランディング提案書」を制作しました。ブランドにまつわる資料を再整理し、打ち出す要素や目的を可能な限り言語化し、視覚的にもわかりやすく顕在化させるようにしていきました。今後議論が進み、意見が分かれた時にいつでも立ち返ることができるものが大事だと考えたからです。そしてブランディング提案書を中心にして、ブランドのレギュレーションやガイドラインを構築しました。Webサイトリニューアルチームはもちろん、andu ametのスタッフにもブランドの世界観を具体的に理解してもらい、共通言語となるものが必要だったからです。

Good Team Building & Project Management

エチオピアと日本との物理的な距離の問題もあり、今までは新しく加わるプロボノ(※)や日本のスタッフ全員にandu ametのブランドの世界観を浸透させることが難しかった。

そのため、顧客向けだけではなく、andu ametのチーム内でブランドの世界観の統一を図るツールとなるようなアウトプットを心がけた。

※プロボノ(Pro bono):各分野のプロフェッショナルな知識・スキル・経験を提供するボランティア活動。andu ametでも現在約20名のプロボノが活躍している。

Webサイトを起点にグラフィックツールにも発展していくことを視野にいれて、ブランドを立体的にデザインし構築できるユニエルに制作を依頼しました。オンラインのデジタルプロモーションとグラフィックデザインに精通していたことに加え、アパレル関係の制作実績も豊富で、撮影のディレクションもできフォトグラファーとのネットワークもあり、俯瞰してトータルでパッケージングできるスキルを備えたチームです。

また、ユニエルは少数精鋭の環境で、andu ametとは業種こそ異なるもののチームとして持つ価値観が近く、互いに共感できるチームではないかと考えたからです。
このプロジェクトでは、コミュニケーションの重要性も浮き彫りになりました。andu amet代表の鮫島さんはエチオピアに滞在しているため、オンラインでコミュニケーションを行なっています。しかし、エチオピアはインターネットの回線環境が悪く、オンラインチャットがつながっても突然、停電で切れてしまうということも珍しくありません。そのため、いかに短時間で効率的にコミュニケーションをとり結論へ導くかが非常に重要だったのです。なによりも、直接会うことができない距離感をどう埋めていくか、チームのテンションをどうやってキープするかといった心理面にも配慮してプロジェクトを進めていきました。

こうした環境もあり、鮫島さんの意見や要望や思いは、コパイロツトが聞き、情報を整理してからユニエルに伝える方法を選択しました。逆に、ユニエルのクリエイティブの提案は、コパイロツトが一本化して鮫島さんに提案する方法を取り、3者の役割分担を明確にしました。この方法が、プロジェクトの大きな推進力となったのです。
クリエイティブチームづくりではユニエルのネットワークを最大限に生かし、このプロジェクトに賛同したフォトグラファーが参加、フォトグラファーがスタイリストを紹介し、スタイリストがヘアメイクとモデルを推薦し、数珠つなぎにチームが構成され、全体への意思疎通やコミュニケーションをコパイロツトが繋いでいくことで構築していきました。撮影したビジュアルは、いわばチーム内の共通言語として機能し、Webサイトリニューアルだけでなく、グラフィックツール、内部の世界観共有などの展開も広がりました。

Result & Next Step

従来のWebサイトでは、現在のandu ametの世界観との間に剥離が生じていましたが、リニューアルによって解消し始めています。従来からのお客さまや、初めて訪れるユーザーに対してだけでなく、andu ametのスタッフやサポートする人たちのようなインナー向けにも、鮫島さんが目指す世界観を伝える共通言語としても機能し始めています。今後は、各種ブランドツールの展開も予定しています。

公開後、本Webサイトは、CSS DESIGN AWARDS – Website of the Dayや、DesignAwards.Asia – Design of the DayCSS WINNER – Winner of the DayCSS REEL – Winner of the Dayなどのデザインアワードの受賞という成果にもつながりました。

Comment

完成したWebサイトは、すごく素敵です。これまでandu ametが目指していながら、なかなか実現できなかった世界観をきれいに見せてくれています。エチオピアのインターネット事情というのは実にひどくてコミュニケーションを取るのが大変なのに、粘り強く進めていただき、感謝しています。バッグを見て「かっこいい!」と思ってもらいたいという気持ちが、今回のWebサイトで実現していると思っています。(鮫島さん)

今回、いろいろと考えさせられました。鮫島さんの熱い思いに引っ張られるようにしてものづくりに取り組むモチベーションが生まれました。みんなが同じ思いを胸に秘めて取り組むことのおもしろさがあったように思います。これからも思いを燃やしながらプロジェクトを続けていきたいと思っています。(野田さん)

エチオピアの工房の映像をみて、ものづくりに携わる人から学ぶことがあるなあと思った記憶があります。andu ametの取り組みをみて、ブランドの在り方が、非常に勉強になりました。(後藤さん)

エチオピアでつくられたバッグが、日本に対して魅力を発信しています。この先、僕らも海外で仕事をしていく可能性がある中で、見習うべきところがたくさんありました。海外で日本のことを考え、市場にしていく「ものづくり・チームづくり」ということがどういうことなのか、プロジェクトを進めていく過程で気づかされたことがたくさんあり、取り入れていきたいと感じました。(船橋)

このプロジェクトを進めるためにたくさんのことをヒアリングして、インプットをすればするほどブランドにどんどん魅かれていきました。andu ametとユニエル、それにコパイロツトのチームワークが寄り添って併走した快感がありました。チーム全体からモチベーションを高められていました。(石井)

(写真左から、ユニエルの後藤さん、野田さん、andu ametの鮫島さん、コパイロットの船橋、石井)