Workflow

クラウドソーシャルインベストメント

http://arunseed.jp/cloudsocialinvestment/

ARUN(アルン)は、日本の個人や企業の出資金をとりまとめ、カンボジアなどの途上国で社会課題に取り組む社会起業家に投資を行なっています。これは、「ソーシャルインベストメント(社会的投資)」と呼ばれるもので、ARUNでは、さらに投資先企業の社会的な影響も報告したり、投資家と投資先の相互理解を生み出すための社会的プラットフォームをつくりだそうとしたりしています。
2016年、コパイロツトはARUNとともに、「クラウドソーシャルインベストメント」を立ち上げました。これは、企業や個人の「出資」ではなく、「寄付」を原資としてソーシャルインベストメントを実現させようというこれまでにない新しいしくみです。

Credit

Director:功能 聡子(ARUN) / Project Manager 田中 里枝(ARUN) / Web Director:末吉 大希(ARUN) / Producer:定金 基(コパイロツト) / Director:多田 知弥(コパイロツト) / Project Manager:高津 宏明(コパイロツト) / Web Director:真野 剛彦(コパイロツト)

Background

コパイロツトは、2012年から年賀状の制作・郵送費に相当する金額を寄付する活動を行なっていますが、1社だけの寄付の力には限界があると感じていました。
そのため、中小企業の寄付を束ねて、より社会に貢献する活動にできないかと考えていました。
2015年に、代表の定金がARUN代表の功能(こうの)聡子さんと出会い、ARUNが主催するソーシャルインベストメントスクールに通う中で、あるアイデアが生まれました。

それは、ARUNが手がけるソーシャルインベストメントを、「出資」ではなく、多数の中小企業の寄付を束ねて投資できるプラットフォームの構想でした。功能さんの力強い賛同も得て、ARUNとコパイロツトの共同プロジェクトとなる「クラウドソーシャルインベストメント(以下、CSI)」が立ち上がりました。

Planning

早速、ARUNとコパイロツトとの定例ミーティングを設定し、構想の具体化に取り組みました。議論を重ねたのちにCSIの詳細が固まってきました。

まず、企業や個人からの「寄付」を原資に投資するしくみであること。従来の「出資」では、500万円以上のまとまった金額が必要でした。しかし、中小企業や個人の少額の「寄付」をとりまとめることで、投資のインパクトを高めることができます。
投資先は、ARUNが得意とする途上国の貧困を解決しようとしている社会起業家を対象にしました。ビジネスを通じた持続性に賛同する人が募集する対象になりました。
投資によって得られたリターンは、寄付をした企業や個人に還元するのではなく、新たなソーシャルビジネスに投資します。寄付が資金として循環し、寄付金額以上の効果を生み、社会課題の解決を中長期的に応援することができます。
そして、寄付をした企業や個人には、出資先企業のレポートという形で応えます。レポートを通して、ソーシャルビジネスや途上国についての見識を得られることが、寄付する人にとっての大きな価値となります。

こうしてCSIの概要が固まってからは、コパイロツトは具体的なサービス設計を行ないました。
寄付に関するリサーチや、寄付を行なっている個人の方や企業の担当者の方へのヒアリングを実施。寄付をしてくださる方への情報発信のあり方などを設計しました。

そののち、Webサイトや営業ツールを制作し、営業活動や広報活動の準備を整えました。

Good Team Building & Project Management

投資活動や営業、寄付した方へのレポートなどの業務は人脈や専門性を活かしてARUNのメンバーが担当。コパイロツトはプロジェクトマネジメント、企画・サービス設計を担うほか、営業ツールの開発やWebサイト制作などを担当し、営業活動支援も行なっている。

※ARN→ARUN、CPL→コパイロツト

CSIを具体化し、営業や広報の準備が整うまではARUNとコパイロツトの5人のメンバーで進めてきました。
CSIのプロトタイプが完成したいま、ソーシャルビジネスや寄付に関心が高い企業の方なども巻き込んでいくフェーズに移行します。2015年12月からはサービスを寄付者目線でフィードバックをもらいブラッシュアップしていくワークショップを開始しました。CSIの価値やサービスに込めた熱意を直接伝えられるうえ、共通の課題意識を持つ参加者の方々とお互いに非常に有効な意見交換ができます。このワークショップを通じて、外部の協力者を増やしていくことに注力しています。

プロジェクトのゴールは、「3年で、100社から、1億円の寄付を集める」と設定しました。この金額が集まれば、寄付を複数社に投資することができ、リスクヘッジをしながらも、持続可能な資金回収できるしくみが構築できるからです。こうして、投資した事業が社会的な経済価値を生み出すようになることを目指しています。

このプロジェクトでは、最小限のリソースでいかに早くサービスを立ち上げるかということも重要でした。プロトタイプをスピーディーにリリースすることを重視したのです。一方、2016年3月にリリースした後は、CSIを応援してくれる方をじっくりと着実に増やしていくことが大切だと考えています。

Result & Next Step

2016年3月にサービスをリリースし、オフィシャルサイトをローンチしました。いわば、プロトタイプが完成し、CSIを世に問う基盤が完成した段階です。これからは、ワークショップや営業活動、広報活動を通してCSIに賛同していただけるネットワークを広げながら、より価値の高いプラットフォームへとブラッシュアップを図ります。

寄付してくださった方への情報発信も充実させていきたいと考えています。年間レポートを発行する予定で、寄付した方がCSIで寄付することに大きな価値を見出していただける情報を提供していきます。そしてCSIに賛同し、寄付をしてくださる方々とのコミュニティを作りあげていくことも重要です。ソーシャルビジネスに興味がある人にサービスの魅力を伝え、寄付の裾野を広げることも必要です。CSIの認知を広げ、応援してくれる人を増やすための広報活動にも注力していきます。

Comment

「途上国の起業家たちの発想は興味深く、生きている実感に満ちていて“おもしろい”。私はこうしたおもしろいことを多くの人と共有したくて事業を進めています。コパイロツトは私たちが実現しようとしていることを一緒におもしろがってくれるのでうれしいです。私たちの事業には何かと胆力が必要で、新しい価値を生み出すこと、新しいことへのチャレンジに躊躇しないコパイロツトが伴走してくださるので、非常に心強いですね」(功能さん)

「コパイロツトは金融や投資の専門家ではありません。しかしだからこそ、我々にはない観点から興味を持って解釈をし、自分たちとは違ったアイデアを持っていることに大きな価値があると思います」(水野さん)

「功能さんは、“伴走”と表現されましたが、それは走る人がいて初めて成り立つこと。ソーシャルインベストメントの知見はもちろんのこと、あふれる熱意を持ったARUNのみなさんが走っているから、コパイロツトが伴走できる。これからもお互いのスペシャリティを生かしながら、プロジェクトを育てていきたいですね」(多田)

「新しいことへのチャレンジに躊躇しない、とおっしゃっていただいたことが印象的です。コパイロツトの社風や価値をARUNさんが評価してくださっているのはありがたいと思います」(高津)

「ARUNさんは、体制を変えたり、定款変更をしていただいたりと大きな変化を受け入れながらプロジェクトを進めてくださっています。いわば門外漢の私たちですが、世界を変えるビジネスモデルに伴走でき、心から感謝しています」(定金)

(写真左から、ARUN 田中さん、水野さん、功能さん、コパイロツト 多田、高津、定金)