Workflow

ママプロ(ママの笑顔を増やすプロジェクト)

http://mamapro.jp/

日本財団の50周年(2012年)を期にスタートした“ママの笑顔を増やすプロジェクト”通称「ママプロ」は、「産み、育て、活躍しやすい社会」を次世代につなげるプロジェクトです。子どもの成長にあわせ活躍を目指す(働き続ける、再び働く、社会と交わるetc)ママに注目。「未来の当たり前」を創るため、ママの抱える課題(○○しづらい)を抽出しながら、ママと社会がともに考え行動に移すアクションを企画・推進しています。「ママが笑顔になれば、子どもも、家族も、社会も、未来も笑顔に」そんなメッセージを発信しながら、「対話する場」「協働する機会」「仕組みづくり」の3つの視点で課題解決の取り組みを実施。今回、コパイロツトはティザーサイトの制作からイベントのプランニング、オフィシャルサイトの制作を担当。その関わり方をご紹介します。

Credit

Producer:高島 友和(日本財団)/ Planner:定金 基(コパイロツト)/ Web Director:畠山 洋一(コパイロツト)/ Event Director:山城 理奈(コパイロツト)/ Art Director:みつやま ちえ(ginghami株式会社)/ Designer:今野 政紀(株式会社インアウトデザイン)/ Engineer:河内 雅仁(株式会社インアウトデザイン

Background

ママプロの運営を担当されている、日本財団の高島友和さんと弊社の定金は、定期的に朝会を行い、「ママプロ」を含む社会貢献事業についての意見を幅広く交換していました。

その後2013年の1月下旬に、高島さんから定金へ「ママプロ」のティザーサイト制作の依頼をいただきます。さらに2013年3月に名古屋で行われたイベントに、日本財団が共催として参加し「ママプロ」のブースを出されるとのことで、このイベント出展にも弊社が携わることになりました。

Planning

こうしてイベントの開催までにティザーサイトをオープンするという目標ができ、弊社はティザーサイト制作とイベント制作を並行して行なうことになります。

ティザーサイトを制作するにあたって、まず「ママプロとは?」というプロジェクトの根幹となる方針について、改めて定義しておく必要があると提案しました。イベントでは、ティザーサイトのデザインを応用した、出展ブースのデザインディレクションを行いました。加えて、イベント内容のプランニングや、イベント当日に現場にて補佐的な役割を果たしました。

次に、このティザーサイトを経て、オフィシャルサイトの制作へ入るにあたり、求められた要件は二つ。一つは、日本財団のデータベースである「CANPAN」とサイトを連携させて、情報を表示できるようにすること。もう一つは、CMSを組み込み、日本財団側で運営を行えるようにすることでした。

こうしたご要望を受け、まずはオフィシャルサイトの成長段階を、コンテンツ数やグループ数の想定を基準に、4つのフェーズに分けて整理しました。それにより、各段階でどのようなコンテンツを追加する必要があるのか、タスクを明確にしました。

Good Team Building & Project Management

左記の図は、弊社の定金・山城・畠山それぞれが、ママプロに関わっていた時期と、関わりの深さを表したものです。コパイロツトでは当初、定金がプランニングを担当し、その後ティザーサイトを制作する際に、イベント業務経験もある山城にバトンタッチしました。さらに、オフィシャルサイト制作の段階で、山城からウェブディレクターの畠山に引き継ぎました。

続いて社外のスタッフィングについてご紹介します。

今回、ターゲットがママということもあり、当初からデザイナーは女性がよいと考えておりました。そこで、柔らかさもありスッキリした伝わりやすいデザインを手掛けるデザイン会社「ginghami(ギンガミ)株式会社」をアサインし、ティザーサイト制作、イベントでのブースデザイン、オフィシャルサイト制作のアートディレクションを担当していただきました。

またオフィシャルサイト制作では、データベース管理などのシステム面を「株式会社インアウトデザイン」に依頼。デザインから外部システムとの連携まで一貫して頼れるという事と、ギンガミが普段の業務でやりとりされていたため、コミュニケーションを取りやすいという理由で選びました。

次に各段階のプロジェクトマネジメントについてご紹介します。まずティザーサイト制作では、山城が高島さんと打ち合わせを重ねながら、「ママプロとは?」という根本の定義やデザインの方針、伝えたい情報の優先順位などを整理していきました。

デザイン提案では、一目でプロジェクトのコンセプトを伝えられるよう、可能な限り文字を減らし、トップページにはママを笑顔にさせるための行動を表現したピクトを配することにしました。

またイベントには、多くのステークホルダーがいらっしゃったこともあり、情報をしっかり取りまとめることが重要だと考えました。ブースのコンセプト設計や、出展内容の企画は、おもに日本財団とママ支援コミュニティのStand for mothersが中心となり行っていましたが、ご協力いただいている団体・主催者・会場担当者など多くの方が、意義のあるイベントを成功させたいという想いのもと関わられていました。

山城はおもに、関わられた方同士がスムーズにコミュニケートできるよう、作業の洗い出しや優先順位付け、作業割り振りなどの、細かな交通整理を担当しました。誰がどんなことを、いつまでに対応するのかを明確にしておくことは、地味な仕事ではあるものの、大きなプロジェクトを円滑に進行するためには必要不可欠です。

開催本番まで時間がなかったこともあり、都度スケジュールや作業負荷を考慮し、体制の組み直しを行いました。そして本番当日は、高島さんと共に会場入りし、イベントを無事に終えられるよう運営の作業に徹しました。

そしてオフィシャルサイト制作においては、まず山城から畠山へ担当を引き継ぐにあたり、情報の認識ズレや共有漏れを防ぐために、チャットツールのSkypeを用いてログを残しつつ、徹底的に情報共有を行いました。また引き継いだ当初は、山城もMTGに同席し、高島さんと畠山が意志疎通を行いやすいよう、丁寧に橋渡しを行いました。畠山はディレクターの立場として、進行管理とディレクションを担当。高島さんと週に1回程度ミーティングを行いながら、制作会社ともSkypeでこまめにコンタクトを取っていました。

畠山は最初に、サイト内で使用する用語のルールを定義し、それぞれの用語が指す内容を明確化しました。例えば「プロジェクト」という用語は、当初、二通りの使われ方が混在していました。まずはママプロ=「ママの笑顔を増やすプロジェクト」という言葉自体に含まれる「プロジェクト」に加え、ママプロが包含するさまざまな事業をも「プロジェクト」と呼んでいました。今後ママプロの活動が広くなっていくことを想定し、このタイミングで一度整理をしておく必要があると考え、日本財団が主催するプロジェクトを「アクション」と、同じテーマのプロジェクトに関わっている方々を「パートナー」と言い換えるなど、使用する用語のルールを決めていきました。

なお、サイト制作の際に最も重要視したのは、ユーザーが新しい情報にリーチできる「更新性」、サイトをご覧になる際の「ワクワク感」、さらに「自分の身近にこんなイベントがあったんだ」という発見のあるサイトに仕上げることでした。加えて、今後「パートナー」が増えていった際にも対応しやすい表示形式を採用。今後、増加の程度に応じて、検索機能も追加していく予定です。

また、運営担当者がスムーズに投稿できるよう、マニュアルを作成しました。特にオフィシャルサイトにおける「アクション」コンテンツでは、投稿された写真によって、ユーザーの印象が左右されるため、サイズの指定や画像の投稿方法などを細かく説明しています。記事や写真の投稿については、弊社でコントロールしきれない部分なので、マニュアルではスクリーンショットを多用し、ママプロに関わっている方が誰でも理解しやすい内容にすることに留意しました。

Result & Next Step

こうして、オフィシャルサイトが2013年8月にローンチしたことで、ママプロの活動をアーカイブする場所を作ることができました。日本財団では、今後もママを支援するイベントを積極的に行われるとのことです。現在は、ママがスムーズに社会復帰できるような企業でのインターンシップや、子連れでも自分磨きができる場所作りなどを通じて、ママの社会復帰を応援されています。また各種メディアを通じて「休むか、働くか」の2択ではない生き方を、世に提案していきたいと考えていらっしゃるそうです。

なお、今回のプロジェクトで、弊社はサイト制作だけでなく、イベント制作、アートディレクション、また全体のプロジェクトマネジメントに携わったことで、コパイロツトらしい柔軟性を発揮できたと思っています。加えて、普段サイト制作で行っている「言葉の定義」や「情報の交通整理」の手法は、イベント等あらゆる局面に応用できると気付きました。

サイトローンチ後の弊社の関わり方としては、サイトが更新されている様子を逐一チェックしつつ、日本財団からの更新や運営に関する相談に応じている状況です。

プロジェクトを通じて関係が深まった高島さんには、弊社がプロデュースしたハッカローソンの審査員をお願いさせていただきました。ハッカローソンでは、ママ関係のプレゼンテーションをされた方々との繋がりが生まれたそうです。

Comment

「今回のプロジェクトが成功したのは、早い段階でセンスの共有ができたためだと思っています。コパイロツトさんと日本財団は、お互いにソーシャルグッドな活動をしていることもあり、目指す場所が似ているので、非常にお仕事をご一緒しやすかったですね。コパイロツトにはウェブ制作を依頼するだけ、と考えるのではなく、今後も幅広い分野でご一緒できればと思っています」(高島さん)

「ママプロは、本当に多彩な関わり方ができたプロジェクトで、楽しい経験をたくさんさせていただき、さまざまな気付きを得ることができました。プロジェクトに関わる人数は多すぎても少なすぎてもいけない適正値があると思いますが、情報の整理・作業分担の仕方次第では、解決できることも多くあると実感しました。プロジェクトを育てながら制作を行うという貴重な体験ができました。」(山城)

「私はオフィシャルサイト制作から本格的にプロジェクトに参加したのですが、あらかじめイベント、ティザーサイト制作に携わっていたことで、情報の引き継ぎを含め、スムーズに連携ができました。制作では、サイトが今後どのように変化していくのか、という視点を織り込んで企画することが求められる仕事でした。多数の人が関わり、多くのアクション(それぞれの活動)をまとめたママプロでは、全体の「コンセプト」や「用語」を定義することが、運営する側も、サイトを見るユーザーにもわかりやすく、よりスムーズに実際の活動等を伝えることができるため、重要であると実感しました。」(畠山)

(写真左から、日本財団 高島さん、コパイロツト 山城、畠山)